人口が減っても、世帯は増える。青山メインランドのマンスリーレポートが整理した、世帯の小規模化と単独世帯の増加
「人口が減っていくのだから、賃貸住宅の需要も、減っていくのではないか」。そのように感じる方は、少なくないかもしれません。けれども、住まいの需要は、人口の数だけでは、測れません。
青山メインランドの公式サイトは、2026年10月に、「マンスリーレポート 人口減少でも『単身世帯』は増加…人口動態データから読み解く」と題した記事を、公開しました。公的な統計をもとに、人口と世帯の変化を、整理した内容です。
この記事では、このレポートに記された内容をもとに、世帯の小規模化と、単独世帯の増加について、掘り下げていきます。なお、需要の増加が、特定の物件の入居や収益を保証するものではありません。
公式サイトの「マンスリーレポート」
レポートは、2026年10月24日に公開されました。
賃貸の仲介サイトで物件を探す人にも、住まいの需要がどのように変化しているのかを知る、手がかりになる内容です。
「人口が何人いるか」だけでなく、「何世帯に分かれて暮らしているか」に目を向けることを、提案しています。
2024年の人口動態統計
レポートは、厚生労働省が公表した「令和6年(2024年)人口動態統計(確定数)」を、紹介しています。
それによると、出生数は68万6,173人で過去最少となり、合計特殊出生率は1.15まで低下しました。一方、死亡数は160万5,378人で過去最多となり、自然増減数はマイナス91万9,205人となっています。
人口が減っていくという大きな流れは、確かなデータで確認できます。
一般世帯数は、いったん増えて、減少に転じる推計
レポートは、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計」を、紹介しています。
それによると、一般世帯数は、2020年の5,570万世帯から、2030年には5,773万世帯まで増加した後、減少に転じると推計されています。
人口が減っていく中でも、世帯の数は、しばらくの間、増え続けるという推計です。
平均世帯人員は、低下を続ける
同じ推計では、平均世帯人員は、2020年の2.21人から低下を続け、2050年には1.92人となる見込みです。
一つの世帯を構成する人数が少なくなれば、人口が減る中でも、一定数の住宅が必要になります。
レポートは、「人口が減少しても、世帯が同じ割合で減少するとは限らない」と、整理しています。
単独世帯は、2050年に44.3%の見込み
レポートによると、全国の単独世帯は、2025年に2,296.2万世帯と推計され、一般世帯に占める割合は40.1%です。さらに、2050年には2,330.1万世帯、割合は44.3%に達すると、推計されています。
総人口が減少していく一方で、単独世帯の割合は高まっていくという見通しです。
レポートは、これが、人口減少下の住宅市場を考えるうえで、重要なポイントだと、述べています。
「需要が増えるから安心」とは、言い切らない
レポートは、単独世帯が増えることだけをもって、特定のワンルームマンションの入居需要や収益性が保証されるわけではないと、はっきり述べています。
立地や賃料の水準、物件の仕様、周辺の競合物件など、個別の条件によって、賃貸の需要は変わると、注意を促しています。
「需要が増えるから、空室になりにくい」と一律に判断するのではなく、総合的に見ることが求められると、結んでいます。
都市部に集まる、単身者
レポートは、特に東京都を含む都市部では、就職や転職、進学などに伴う人口の移動によって、単身者が集まる地域があると、述べています。
そのため、全国の人口が減っているからといって、都心部の単身者向け住宅の需要が、同じペースで縮小するとは限らないと、説明しています。
「どのような世帯が、どの地域で暮らすのか」を見ることが、需要を考えるうえで大切だという視点です。
供給の環境も、地域によって異なる
レポートは、ワンルームマンションの供給については、地域ごとの開発条件や、自治体の規制なども、考慮する必要があると、述べています。
東京都内では、自治体によって、ワンルームマンションを対象にした条例や、指導基準が設けられており、住戸の面積や戸数に関する基準が定められているケースがあるとしています。
また、土地の取得条件や、建築費、人件費も、物件の供給に影響すると、説明しています。
統計を、仲介サイトの情報と重ねて見る
仲介サイトで、エリアごとの賃料や、物件数を見比べるとき、人口や世帯の統計と、あわせて見ると、街の姿が、立体的に見えてきます。
統計は、大きな流れを教えてくれますが、個別の物件の状況は、立地や管理、設備など、さまざまな要素で決まります。
大きな流れと、個別の状況の、両方を見る姿勢が、判断の質を高めてくれます。
公的な統計を、出所とともに示す姿勢
レポートは、厚生労働省と、国立社会保障・人口問題研究所の統計を、出所とともに紹介しています。
出所を明記することで、読み手は、原典を自分で確かめることができます。
リスクについても、「空室リスク、価格変動リスク、金利変動リスク、修繕費等の負担などが伴い、将来の成果を保証するものではない」という注意書きが、添えられています。
まとめ
青山メインランドの公式サイトのマンスリーレポートは、人口が減少する一方で、世帯の小規模化が進み、単独世帯の割合が高まっていく見通しを、公的な統計をもとに整理しました。
需要の増加を一律に結論づけず、個別の条件を見る大切さを伝えるこのレポートは、住まいを探す人にも、大きな流れを知る手がかりになります。